開発対象OSはWindows Vista/XP/2000で十分

仕事でソフト開発をしていると必ず出てくるのが動作環境。特にWindowsのバージョンをどれくらい古いものまでサポートするかだ。結論から言うとWindows XP(SP2)とWindows Vistaで動けば問題ない。余裕があればWindows 2000も動作保証するかな?という程度で十分なはずだ。

企業向けソフトの開発の現場では「企業、特に市場規模が大きい中小企業じゃWindows 98を使っているところもまだまだ多いからWindows 9x系はサポートしないとダメだよ。」と耳にすることがある。確かに中小企業ではWindows 98は多く使われている。また潜在的な市場も大きい。

しかしどうだろう?いまだにWindows 98を使っているような企業が新しく開発したソフトに興味を持つだろうか?ソフトに投資するだろうか?
よっぽどそのソフトに魅力があるか、開発後の売込みがうまくない限り無理だろう。開発したソフトに興味を持つのは新しい技術などの"変化"を求める企業であり、そういう企業では今の時代最低でもWindows XPは導入していると考えられるからだ。
またWindows 9x系を動作保証に入れる場合は、該当するOSで動作をテストする必要がある。今はVirtual PCも無料化されWindows XP上でWindows 95や98を走らせることも簡単にでき、テストもはかどる環境は整っている。しかしサービスパックの有無、OSR1、2、各種あるInternet Explorerのバージョン、アクティブデスクトップ使用の有無...確認しなければいけないケースが非常に多く、「Windows 9x系対応」という一言をパッケージに印刷したいがためにかかるコストはかなりなものになる。


ちなみに私のホームページへのアクセス履歴(2006年10月)を見てみると...

■WIndows系プラットフォーム
os_access01.gif

■OS全体
os_access02.gif

※履歴はGoogle Analyticsで取得したものです。この分析はかなり解析もれが生じていることがあります

となっていた。

Windowsの中で見るとWindows 98を含めたWindows 9x系は1300アクセスにも届かない程度。パーセンテージにして3%しかない。この数は全体のアクセスでみたときのMacintoshとほぼ同じ割合になっている。やはりダントツに多いのは80%を占めるWindows XP、そして13%のWindows 2000となっている。

このようなOSの割合から見て「Windows XPが多いからWindows 98の使用率はもうすでに非常に低い!」とは言えない。このデータはInternet上で集計したものだからであり、Windows 98はどちらかというとInternetやLANなどのネットワークに接続せず、企業内部で利用されていることが多いからだ。また、「私のホームページへのアクセス」という偏った母体集団に基づいていることもある。
とは言うもののWindows XP系(NT系)への移行は確実に起きている。今後、新たにソフトを開発する場合は、特別な理由がない限りWindows 9x系は切り捨て、Windows 2000やXP、そして新しいVistaへの動作保証をするだけでいいだろう。

Windows 9x系を利用しない場合は比較的容易にソフトを多言語化できる。Windows 98系サポートへ開発時間を注ぐよりも、むしろ多言語化に力を注ぎ「世界中で使えるソフト」をめざした方が潜在的な市場規模も大きいのではないだろうか?


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